【5月20日 AFP】現役時代のドーピングにより、自転車ロードレース界から永久追放されたランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏が、最初にドーピングに手を染めたのはプロに転向した21歳のときだと明かした。

 アームストロング氏については、5月24日と31日に米スポーツチャンネルのESPNで「ランス(Lance)」と題した2部構成のドキュメンタリーが放送される予定となっている。

 18日に公開された番組の予告で、アームストロング氏は最初に薬物を使ったのは何歳かという問いかけに対し、「おっと。率直だね。多分21歳のときだ」と答えた。映像では、USポスタルサービス(U.S. Postal ServiceUSPS)の元チームメートの、タイラー・ハミルトン(Tyler Hamilton)氏とジョージ・ヒンカピー(George Hincapie)氏も同じ質問に答えている。

 48歳となったアームストロング氏は「ドーピングにはいくつもの定義がある」「一番簡単なのはルール違反をドーピングだということだ。われわれが、ビタミンや何かを若い頃から注射してきたのは確かだ。しかし違法ではなかった。(何を投与されているかは)いつも尋ねていた。いつも知っていて、そして決断は常に自分で下していた」と話している。

「『聞くな、これがお前の摂取しているものだ』とは誰も言わなかった。それなら絶対にやらなかったはずだ。何を入れるか自分で勉強して、そして自分でやることを選んだ」

 アームストロング氏は主に2000年代の自転車ロードレース界を支配し、1999年から2005年にかけて三大ツール(グランツール)の一つ、ツール・ド・フランス(Tour de France)で7連覇を達成した。

 しかし2012年、USポスタルサービスの組織的で巧妙なドーピングの中心人物と米国反ドーピング機関(USADA)に判断され、全タイトルの剥奪と競技からの永久追放の処分を受けた。そして2013年、オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)のトーク番組で、1996年から薬物を使い始めていたことを告白した。

 今回の発言で、アームストロング氏はプロ転向翌年の1993年に優勝したUCIロード世界選手権大会(UCI Road World Championships)のタイトルも剥奪される可能性がある。(c)AFP