【5月20日 AFP】中国で、32年前に2歳で誘拐された男性が、顔認識技術を用いた警察の捜索によって特定され、実の両親と涙の再会を果たした。

 同国中部・陝西(Shaanxi)省西安(Xi'an)の公安局によると、毛寅(Mao Yin)さん(34)は1988年、西安にあるホテルの外で誘拐され、隣の四川(Sichuan)省の子どものいない夫婦に売られて息子として育てられた。

 中国中央テレビ(CCTV)によれば、警察は毛さんの幼少期の写真を基に成長後の顔の画像を作成。国のデータベースから、これに近い人物を検索した。

 警察は、四川省の人物が1980年代後半に子どもを買っていたとの情報提供を受け、毛さんを特定。DNA鑑定で本人と確認した。

 毛さんは18日、息子の捜索を決してあきらめなかった実の両親と再会を果たした。母親の李静芝(Li Jingzhi)さんはCCTVに対し、息子が連れ去られた後に仕事を辞め、10万枚を超えるチラシを当局に送り、複数のテレビ局に出演して息子を返してほしいと訴えたと語った。

 中国では厳格な一人っ子政策が施行された1980年代から、子どもの誘拐と人身売買が横行し始めた。また、男の子を重宝する文化も乳児誘拐を促進した。(c)AFP/Poornima WEERASEKARA