【5月20日 AFP】香港当局は19日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために公共の場での集会を禁じる措置を6月4日まで延長した。これにより、毎年香港で行われてきた天安門(Tiananmen)事件の追悼行事が、過去30年で初めて中止になる可能性が高まった。

 ろうそくをともす集会は例年、多数の参加者を集めており、中国本土で今までに唯一認められた、天安門事件を大きな規模で追悼する場だった。

 昨年の追悼集会は特に大規模で、その1週間後には、中国本土への容疑者の身柄引き渡しを可能にする法案をきっかけにして7か月間続いた民主派の抗議デモが市街各所へと急拡大した。

 だが当局は新型ウイルスの感染拡大を受け、公共の場で8人超が集まることを禁じたソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の規則を延長する方針で、今年はこの慣行も途切れる見通しだ。

 陳肇始(ソフィア・チャン、Sophia Chan)政府食品・衛生局長は報道陣に対し、「われわれは常に、14日ごとに措置を延長してきた。われわれの関心事は主に公衆衛生についてだ」と話した。

 いつもはビクトリア公園(Victoria Park)で開催されていた追悼集会の主催者は、当局から許可が下りないだろうと語る。

 香港市民支援愛国民主運動連合会(Hong Kong Alliance in Support of Patriotic Democratic Movements in China)の李卓人(Lee Cheuk-yan)会長はAFPの取材に対し、「われわれの申請が承認される可能性はとても低いと考えている」と話し、「もしろうそく集会が禁止されれば、われわれは30年続けてきたので象徴的なことになる」と付け加えた。

 同会長は、香港市民らは代わりに地元の公園でろうそくをともすかもしれないと話している。(c)AFP