【5月20日 People’s Daily】中国の有人宇宙ステーションプロジェクト向けに開発された「長征(Long March)5号B」キャリアロケットは5月5日、次世代有人宇宙船試験船および柔軟・ガス充填(じゅうてん)型貨物帰還モジュール試験モジュールを搭載し、文昌(Wenchang)航天発射場から打ち上げられた。中国の次世代有人宇宙船試験船の帰還モジュールが8日午後1時49分に東風着陸場の予定区域への着陸に成功し、試験は無事成功を収めた。

 計画によると、中国の宇宙ステーションは2022年頃に完成する。宇宙ステーションは高度340〜450キロの近地球軌道を10年以上周回し、大規模な宇宙科学実験、技術実験、宇宙応用などの活動をサポートする。さらに宇宙メンテナンスにより耐用期間を延ばし、規模を拡張することも可能だ。

「天宮(Tiangong)」という中国らしい名称を持つ中国の宇宙ステーションは、通常の定員は3人で、宇宙飛行士の交代時に最大6人となる。完成後は中国の軌道上で長期にわたり安定的に稼働する国家宇宙実験室になる。

 中国有人宇宙事業のチーフデザイナーである周建平(Zhou Jianping)氏によると、宇宙ステーションの基本構造は、一つのコアモジュール、二つの実験モジュールという三つのモジュールからなっている。各モジュールはいずれも20トン級で、三つの合体時の質量は約66トン。宇宙ステーションは全体的にT字型で、コアモジュールが中央に位置し、実験モジュールⅠとⅡがその両側につながる。うちコアモジュールは宇宙ステーション全体の制御を行い、二つの実験モジュールは生物、材料、微小重力流体、基礎物理学などの科学実験に用いられる。

 中国航天科技集団(CASC)第五研究院宇宙ステーションシステム副チーフデザイナーの朱光辰(Zhu Guangchen)氏は、「有人宇宙船の神舟(Shenzhou)が1台の車と例えれば、天宮1号と2号は1部屋+1リビングの家で、宇宙ステーションは3部屋+2リビングで物置部屋もつく」と分かりやすく説明した。