【5月19日 AFP】中国政府は18日、オーストラリア産大麦に80.5%の追加関税を課すと発表した。これを受けてデービッド・リトルプラウド(David Littleproud)豪農業相は19日、失望を表明し、世界貿易機関(WTO)への提訴を検討する意向を示した。

 中国政府は、オーストラリアによる補助金とダンピングが「国内産業を大きく損ねている」ことが分かったとして、今後5年間で豪産大麦に反ダンピング関税73.6%、反補助金関税6.9%の追加関税を課すと発表。中国商務省によると、追加関税は19日から施行されるという。

 これについてリトルプラウド農業相は「控えめに言って、失望している」と述べ、「中国政府の決定に対して冷静かつ整然と向き合うとともに、WTOに提訴するというわれわれの権利を留保する」との考えを示した。

 豪当局は一方で、オーストラリアが中国との貿易戦争に突入したとの懸念は当たらないとし、中国政府の決定に対する報復措置は予定していないとしている。

 中国は豪輸出の大麦の50%以上を受け入れており、オーストラリアにとって最大の大麦市場となっている。

 ただ、新型コロナウイルスの発生について調査を求める豪政府との対立が深まっており、中国は豪食肉大手4社からの牛肉の輸入を停止している。(c)AFP