【5月19日 CNS】中国・湖南省(Hunan)張家界市(Zhangjiajie)の景勝地「天門山(Tianmen Mountain)」で18日、ウイングスーツ・フライングを行っていた女子選手が亡くなったニュースが伝わった瞬間、ネット上では、選手の死を悼み、再びこの種の過激な「エクストリームスポーツ(Xスポーツ)」の是非についての論争が巻き起こっている。

 この悲劇は6日前にさかのぼる。張家界天門山の管理事務所はその日、「5・12ウイングスーツ・フライング女子選手行方不明に関するお知らせ」をネットにアップした。

「お知らせ」には「張家界天門山景勝地で、北京の広告会社がXスポーツの動画撮影を行った。12日午前11時19分、撮影に参加していた2人のウイングスーツ・フライングの選手が高度2500メートルのヘリコプターからジャンプし、高空ウイングスーツ・フライングを行った。その中で、一人の女子選手が計画ルートからそれ、連絡が途絶えた。撮影チームと天門山管理事務所はヘリコプター2機と複数のドローンを動員し、ローラー作戦で捜索を行った」と書かれていた。

 行方不明者自身がスマホやGPSなどの設備を携行していなかったことに加え、雨が続き、山あいには霧がかかり、視界が悪く、地形も険しく複雑なため、その後の数日間、行方不明者を見つけ出すことはできなかった。

 天門山管理事務所は18日夜、「捜索結果のお知らせ」をアップし、天門山の「玉壺峰」北側にある標高900メートルの無人地帯の密林で、行方不明となっていた女子選手の遺体を発見したことを明らかにした。6日間にわたる捜索の結果、生還の奇跡は起こらなかったのだ。

 あるネットユーザーは、女子選手の死を悼み「無動力のウイングスーツ・フライングは中国ではあまり行われていないスポーツ。速度が出るので、大胆さと技術と気候条件などすべての要求レベルは高い。彼女は山間地の気流の急な変化に遭い、制御不能となったのかもしれない。ベテラン女性選手が亡くなったことは心が痛む。ぜひ、事故原因を調査し、今後のために報告してほしい」とコメントした。

 また、別のネットユーザーは「安全面から考えればエクストリームスポーツなんかやめたほうがいい」と書き込むと、「人は皆やりたいことは違う。人とは異なるクリエーティブな人生を送りたいと思う人もいれば、逆に毎日決まったことを繰り返す人生を送りたいと思う人もいる。他人に対してああだこうだ言うことはない。彼女自身の人生なのだから、彼女自身が責任を取ればそれでいい。エクストリームスポーツが怖ければ、やらなければいいだけでしょ」と反対を受けた。

 多くの刺激に満ちあふれているために熱烈なファンに支持されるエクストリームスポーツだが、刺激と危険は一体だ。やるかやらないかは、よく考えた方がいいのかもしれない。(c)CNS/JCM/AFPBB News