【5月19日 AFP】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は18日、世界保健機関(WHO)の年次総会から台湾が排除されたことについて「WHOの信頼性をさらに損なうもの」と非難し、WHOが中国に抱き込まれているという米国の主張を裏付けるものだと訴えた。

 WHO加盟各国は総会で、台湾にオブザーバーの資格を与えるかどうかについて、議論を先送りすることで合意した。中国は台湾を再統一を待つ省とみなし、あらゆる国際機関から排除しようとしている。

 ポンペオ氏は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権が激しく批判しているWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長について、台湾をWHO総会に参加させるためのあらゆる権限を持ち、そうした先例があるにもかかわらず、「中華人民共和国からの圧力を受けて、台湾を招待しないことを選んだ」と述べた。

 さらに、「テドロス事務局長の独立性の欠如は、WHO年次総会から台湾の名高い科学的知見を奪い、世界がWHOを最も必要としている時に、その信頼性と有効性をさらに損なうものだ」と述べた。

 台湾は、新型コロナウイルスが最初に確認された中国と地理的に近く経済的結びつきが深いにもかかわらず、同ウイルスによる死者がわずか7人、感染者が約400人にとどまっており、流行対策で目覚ましい成功を収めてきた。

 ポンペオ氏は、「台湾を黙殺しようとする中国の悪意ある行動は、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)対策で透明性と国際協力を求める中国の主張がうわべだけのものであることを露呈し、中国と台湾の間にこれまで以上に著しい違いを生んでいる」「台湾は模範的な世界市民だが、中国は新型ウイルスとその発生源に関する重要情報を伏せ続けている」と述べた。(c)AFP