【5月19日 AFP】ラグビー日本代表歴代最多の98キャップを誇り、2015年のW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で強豪南アフリカから金星を挙げた「ブライトン(Brighton)の奇跡」を経験したLO大野均(Hitoshi Ono)が18日、42歳で現役引退を発表した。

 福島県出身の大野は高校まで野球をプレーしていたが、大学での勧誘をきっかけに18歳からラグビー選手としてのキャリアを開始。2004年に行われた韓国とのテストマッチで代表デビューを果たすと、計7試合で主将を務めた。そのキャリアのハイライトは間違いなく、スポーツ史上最大の番狂わせの一つにも挙げられる、日本が34対32で南アフリカを撃破した一戦だろう。

 代表ラストゲームは2016年のスコットランド戦で、100キャップには惜しくも2試合足りなかった。日本が初めて準々決勝進出を果たした昨年のW杯では、ベテランのトンプソンルーク(Luke Thompson)氏や、ジェームス・ムーア(James Moore)が選出されたため、メンバー入りはならなかった。

 また37歳で代表に選ばれた大野は、日本代表の最年長出場記録も保持している。当時ヘッドコーチ(HC)を務めていたエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)氏は「信じられない偉業」と称賛し、キャリアを長く続けられるのは並外れた技術のおかげだと述べていた。

「彼は信じられないほどタフな選手。だから選ばれている」と話したジョーンズ氏は、「強い子にしたいのなら(大野のように)酪農場で育て、毎朝新聞配達をさせ、毎晩10杯ビールを飲ませなければならないね」と特有の軽妙なコメントを残していた。

 クラブチームでは、2001年に加入したジャパンラグビートップリーグの東芝ブレイブルーパス(Toshiba Brave Lupus)で長くプレーし、スーパーラグビー(Super Rugby)のサンウルブズ(Sunwolves)にも所属した。(c)AFP