【5月18日 CNS】中国・湖南省(Hunan)張家界市(Zhangjiajie)の景勝地「天門山(Tianmen Mountain)」で、ウイングスーツ・フライングの女子選手が行方不明となっており、16日には連絡が途絶えてから96時間が過ぎた。現地政府によると、捜索活動は続けられてはいるが、悪天候により困難となっており、行方不明者は見つかっていない。

■友人:彼女はベテラン選手、スポーツ界では有名

 行方不明者の安安(仮名)さんの友人、王健(Wang Jian)さんの話によると、12日午前、安安さんは張家界の天門山景勝地でウイングスーツ・フライングの撮影を行っていた際に、突然行方不明となった。エスコートとして同時に飛んでいたもう一人の選手は、安安さんがパラシュートを使用したのを見ていないため、飛行中に予定されていたルートから外れてしまったものと考えられている。

 安さんが行方不明になったことを受け、各方面の捜索隊が組織され、事故が発生したと思われる地点の周囲を捜索しているが、当地の地形は極めて険しく、加えて事故の翌日は雨と霧で、救援活動は困難となっている。

 中国国内でのウイングスーツ・スポーツは無動力のものに限られており、難易度は高く、選手にとって時間、金銭、身体能力のすべてにおいて非常に高いレベルが求められるという。現在、中国国内には専業の選手は約100人しかおらず、安さんはベテランでこの種目では有名な選手だった。

 資料によると、無動力のウイングスーツ・フライングは双翼の飛行服と落下傘を身に着け、飛行機、熱気球、断崖絶壁などの高所から跳び下り、身体動作により滑空方向を調整し、無動力で空中を飛行するスポーツだ。安全の極限の高度に達すると、落下傘を開いて着陸する。

 張家界天門山の景勝地の発表によると、事件発生後、撮影隊と天門山景勝地は、すぐさま、ヘリコプター2機と複数のドローンを飛ばし、可能性のある場所付近を捜索した。同日午後には、地元政府が派遣した消防隊、藍天救援隊(Blue Sky Rescue)、撮影隊、景勝地職員、地元の地形を熟知している村人らからなる捜索隊を組織し、捜索を行っている。

 捜索は続けているが、安さんは行方不明時に携帯電話やGPSなどの設備を身に着けておらず、加えてこの数日は雨が続き山の中は霧も濃く視界が悪く、地形も険しいため、捜索活動が極めて困難となっている。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News