【5月20日 CNS】ウイルスとの闘いの期間、多くの「巣ごもり族」はゲームをやることで空いた時間を過ごした。この変化は、中国のゲームが海外に進出するチャンスとなっている。

 ゲームビジネスを手掛ける多くの企業は先日、相次いで1月~3月期の業績を発表し、その中で一部の会社は海外での売り上げが際立っている。同期の中国独自開発の海外におけるゲーム売り上げは37億8100万ドル(約4050億円)に上り、前期比で3割強の増加となった。業界専門家によると、海外におけるゲーム売り上げは4月~6月期も高速増加を続けるが、海外市場の厳しい競争によるリスクにさらされているという。

■ゲーム業界の海外市場進出が増加

 先ごろ、中国の大手IT企業「騰訊(テンセント、Tencent)」が発表した2020年第1四半期業績報告書によると、同期の総売り上げは1080億6500万元(約1兆6300億円)、その内、ゲームを含むサービス業務の売り上げは前年同期比27%増の624億2900万元(約9420億円)、ネットゲームによる収入は31%増の372億9800万元(約5630億円)だった。この増加には主として中国国内のモバイルゲーム増と海外のゲーム増が貢献しているとされる。

 米調査会社「Sensor Tower」のデータによると、今年1月の「騰訊」系ゲーム「PUBG Mobile」の海外売り上げは8300万ドル(約89億円)、前期比35.6%増、前年同期比79.8%増だった。この4月にはさらに記録を更新し、売り上げ9280万ドル(約99億円)を記録した。20年3月15日の時点で、「PUBG Mobile」の海外での総ダウンロード回数は5億1500万回を超えた。

■海外進出はゲーム業者にとって「最強のカード」では決してない

 近年、多くのゲーム業者が海外に進出しているが、参入者の数が増えるにつれ、海外での競争は日増しに激化している。

 今年、香港証券取引所で新規株式公開(IPO)を予定しているゲーム企業「祖竜娯楽」を例とすると、19年と18年の総売り上げは17年を下回り、月平均アクティブユーザー数も429万300人から2019年には344万2200人へ減少、減少率は19.77%に達した。同時に「祖竜娯楽」の海外での売り上げの総売り上げに占める比率は17年から19年に至るまでそれぞれ17.8%、22.0%、32.2%と中国国内の占める比率が年ごとに下降していることが分かる。

 業界内の見方によると、現在の海外ゲーム市場には成熟した市場と未成熟の市場の2種類に分かれており、市場競争が激化するにつれ業績は一定程度の影響を受け、トップのゲーム会社の参入は中小のゲーム会社の生存を脅かす可能性があるとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News