【5月18日 AFP】米国務省のスティーブ・リニック(Steve Linick)監察官の解任をめぐり激しい批判にさらされているドナルド・トランプ(Donald Trump)政権は17日、リニック氏について、トランプ氏の失脚を企てている集団だと政権が主張するいわゆる「ディープ・ステート(闇の政府)」のメンバーだと暗に示唆し、批判に強く反発した。

 今年4月以降、トランプ氏が監察官を解任したのはリニック氏で4人目。監察官は政府の不正行為や職権乱用を監視する役割を担っており、こうした動きには共和党内からも批判が上がっている。民主党議員らによると、リニック氏はマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官に対する調査を開始していた。

 トランプ氏や側近らは常々、党派性がないはずの官僚組織内にトランプ氏を失脚させようとする「ディープ・ステート」という影の力が存在すると激しく批判しているが、その存在を証明する証拠はない。

 トランプ政権で通商顧問を務めるピーター・ナバロ(Peter Navarro)大統領補佐官は米ABCのインタビューに応じ、官僚機構の「多くの人々」が「トランプ氏ではない別の大統領に仕えていると考えている」と批判。

 また「われわれは『ディープ・ステート』と呼ばれる大きな問題を抱えている。自分はその考えが当然だと考えており、官僚機構を去った人々を惜しんでいない」と述べた。

 ナバロ氏はさらに、トランプ政権を去った幹部の後任には常により「忠実な」人物が就任すると語った。(c)AFP/Ian Timberlake