【5月18日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)の成都文物考古研究院は15日、同市の「シンガポール・四川科学技術イノベーションパーク(新川創新科技園)」の南にある五根松墓地で今年実施した発掘調査で、保存状態が非常に良い漢代の墓葬を発見した。墓は盗掘を受けておらず、当時の人々が考えた豪華で謎めいた「死後の世界」を現代によみがえらせた。

 漢代の人々は「人は死後も生前と同じ生活を送る」と考え、死者を厚く埋葬した。そのため漢代の墓は深刻な盗掘被害を受け、発掘しても何も出てこないことが多い。ところがM94号墓と名付けられた今回の墓葬は、副葬品が完全に残されていただけでなく、墓室内の設備や装飾なども当時の状態が保たれていた。

 発掘調査のリーダーを務めた左志強(Zuo Zhiqiang)氏によると、同墓は断崖に横穴を掘った単室の崖墓(がいぼ)で、墓道と墓門、主室、側室、耳室および付属施設からなる。出土品は本来置かれていた位置が明確に分かり、機能ごとの区画もはっきりしていた。金メッキされた銅製の環首刀(かんしゅとう)や滑稽な造形の説唱俑(せっしょうよう)、仙人の住む山をかたどった仙山座(せんざんざ)、死後の富貴な生活を願った仏像揺銭樹(ぶつぞうようせんじゅ)、彩色持盾俑(さいしょくじしゅんよう)、彩色陶楼(さいしょくとうろう)などの副葬品86点と硬貨数百枚が出土した。漢代末期から三国時代にかけての崖墓でこれほど保存状態が良いものは極めて少ないという。

 左氏は同墓について、極めて高い歴史的価値と研究価値があると説明。三国時代の文化研究の新たな局面を切り開く遺跡であり、史料に記載のない漢代末期から三国時代にかけての崖墓の葬送行為や儀式、観念について復元的考察ができるとの認識を示した。三国時代の文化財としてはここ数年で重要な発見だという。

 側室にあった木棺や主室にあった陶棺、仏像揺銭樹、陶楼などの重要な文化財は、同研究所の専門職員が既に搬出作業を行い、今後は研究室での実験考古学の段階に入る。科学的な修復と保護により本来の姿をより完全な形で復元する。(c)Xinhua News/AFPBB News