【5月17日 AFP】ペルー政府は15日、先住民族の間で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広まっている緊急事態を受け、アマゾン(Amazon)地域に専門病院を急ピッチで建設すると発表した。

 ペルー社会保険庁(EsSalud)によると、ブラジル国境に近いアマゾン地域ウカヤリ(Ucayali)州の州都プカルパ(Pucallpa)に、ベッド数100床の病院を建設する。運営は3週間以内に開始されるという。

 ペルーのアマゾン地域は、同地域の最大都市イキトス(Iquitos)の病院がCOVID-19の患者であふれ、遺体安置所もその多さに対処しきれないなどの危機的状況にすでに直面している。政府は同地域に医療従事者220人を急きょ派遣する方針を示している。

 アマゾン一帯は道路がほとんどなく、主要な交通路は河川だ。ビセンテ・セバジョス(Vicente Zeballos)首相は、「陸・空路で」人工呼吸器用の酸素など不可欠な医療物資を届けると表明した。また政府は、首都リマからの支援物資輸送機を増便すると約束した。

 当局によると、アマゾン地域の病院では酸素不足が原因でCOVID-19の患者が亡くなっている。イキトスがあるロレト(Loreto)州の保健当局トップはAFPとのビデオ電話で、「世界の肺(に住む人々)が、酸素がないために死んでいくというのがわれわれの悲しい現実だ」と述べた。

 ペルーの公式統計によると、ロレト州で確認された新型コロナウイルスの感染者はこれまでに2250人を超え、うち95人が亡くなった。(c)AFP