■マスクは定番アイテムに?

 リストによると、マスクをキーワードとしたインターネット検索は今年初頭から5倍に増加している。だが有名ブランドの多くは、マスクが未来のファッションの一部となるかどうかについて、慎重な姿勢で考えあぐねている。

 ファッション史の研究家オリヴィエ・サイヤール(Olivier Saillard)氏は、マスクは「すぐに処分したくなるアクセサリーだ」とコメントした。

 ディオール(Christian Dior)、サンローラン(Saint Laurent)、バレンシアガ(Balenciaga)はフランスの医療従事者や介護士らに無償でマスクを提供したが、それ以上活動を広げることには消極的なようだ。

 フランスの有名ブランドでバッグやアクセサリーをデザインするクロエさんは、パリのアパートの窓越しにAFPの取材に応じ、マスクについてアイデアを出すよう依頼されたと語った。そして、マスクのデザインは「なかなか難しい」と明かしつつ、「でも、今後何か月も、もしかしたら何年もマスクを着けることになるのかもしれない。それならば、こだわって作ってはどうか。それが人間の考えること」だと述べた。

 一方、クデール氏はマスクとの共存が不可欠であれば、気が利いていて着け心地の良い、安心できるマスクを作るのが一番だと述べた。

 クデール氏はまた「真ん中に縫い目があるデザインは排除した。なぜなら、そのようなマスクでは、戦士のかぶとのように見えてしまうから。今これ以上、人々を緊張させる必要はないでしょう」とコメントした。