【5月17日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)の成都文物考古研究院は14日、同市南部で戦国時代から明王朝時代にかけての墓葬6千基余りが見つかり、数万点の貴重な遺物が出土したと発表した。

 発掘チームのリーダーを務める左志強(Zuo Zhiqiang)氏によると、発掘調査は「シンガポール・四川科学技術イノベーションパーク(新川創新科技園)」の建設に合わせ、同研究院が国家文物局の承認を得て2015年3月から実施した。

 数年がかりの調査では多くの成果が得られ、新石器時代末期の住居跡が見つかったほか、墓葬6千基余りが出土した。

 墓の種類は主に断崖に横穴を掘った「崖墓(がいぼ)」、岩山の斜面に横穴を掘った「岩窟墓」、塼(せん)と呼ばれるれんがで築いた「塼室墓」などで、土器や陶磁器のほか、銅、鉄、ガラス、石などの素材で作られた遺物が出土した。

 中でも「郫(ひ)」の文字が刻まれた戦国末期の銅戈、外国文字が刻まれた前漢時代の「竜文鉛餅」、王莽(Wang Mang)の新王朝時代に鋳造された金象嵌(ぞうがん)貨幣「一刀平五千」、後漢時代の画像石棺、晋代のガラス小玉(インド・パシフィックビーズ)などの遺物は、高い歴史的、芸術的な価値を備えている。

 左氏は「これらの考古学成果は、シルクロードの東西文化交流や古代社会の変遷などの重要課題を探究する上で、非常に豊富な実物資料と歴史情報をもたらした」と語った。

 同研究院の劉雨茂(Liu Yumao)研究員は、墓葬遺構の年代が2千年以上にわたり大きな時代の断絶もなく続いていると指摘。四川省の歴史の半分が地下に埋もれていたとも言える希少な「通史型」の古代墓群だと説明した。(c)Xinhua News/AFPBB News