【5月17日 CNS】中国・湖南経済電視台(Hunan Economic Television)の報道によると、湖南省郴州市(Chengzhou)永興県(Yongxing)で先日、複数の幼児患者の体重が激減し、頭蓋骨が変形して巨大になる異常が確認された。メディアが調査すると、これらの患者は全員「くる病」と診断され、同じように「倍氨敏(Bei'anmin)」という名称の「特殊医学用途配合食品」を推薦され、飲んでいたことが判明したという。

 メディアに公開された動画では、これらの幼児は病院で検査を受けた結果、「ミルクアレルギー」と診断されている。医師は保護者に対してアミノ酸ミルクを子どもに飲ませるよう提案し、保護者はその後、粉ミルクを買うために病院脇の母子用品ショップに行くが、いずれも店員の強い勧めで最終的に買ったのは「倍氨敏」だった。ある保護者が、製品の外箱に印刷してある「固体飲料」の文字について尋ねると、店員は「倍氨敏」はその店で扱う「最高級の粉ミルク」で一番売れ行きが良く、赤ちゃんはみんなこれを飲んでいると答えている。

 この動画がネットにアップされると、多くの保護者の関心を引いた。この事件は永興県の行政トップに重く受け止められ、緊急会議が連日開かれた。永興県の市場監督管理局の邱伝輝(Qiu Chuanhui)局長は、メディアの取材に応じ、会議で三つのことを決定したという。まずチームを立ち上げて、調査を行う。次に報道された幼児5人の検査を、小児科専門医に全面的に行ってもらう。三つめは1か月の時間をかけ、児童食品の安全性について全面的な検査と確認を行う。

 今回のような事件は、郴州市にとって初めてのことではなく、前回の「偽ミルク」による「巨大な頭の子ども」が出現してからまだ1年もたっていない。

 今年の3月末には、十数人の保護者が連名で地元政府の公式サイトで政府に対する要望書を投稿し、巨頭幼児の偽粉ミルク事件の適切な処理を求めた。2019年に郴州で発生した「巨頭幼児」事件、そして今回も、郴州児童医院の医師が長期にわたり、病院内の薬局と病院の真向かいにある母子用品ショップと結託し、「固体飲料」を「特殊医学用途配合粉」として同病院に診察を受けに来たミルクアレルギーの小児に販売したことが原因としている。

 保護者らは、専門家による幼児の検査実施と、検査項目、指標、目的などを保護者に伝え、専門家がプロセスを踏んで実施し、署名確認をした検査結果を提示するよう求めた。

 郴州市の市場監督管理局では、すでに対象患者の健康状態の検査を指示し、衛生総合監督局は関連病院と事件に関わった医師に対し調査を進め、虚偽の宣伝を行った違法行為者に対して厳しく法に基づき行政処罰を行うとしている。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News