【5月31日 AFP】メキシコ・メキシコ市の病院では、新型コロナウイルスと闘う医療従事者らのストレスを和らげるため、セラピー犬の「ハーリー(3歳)」が奮闘中だ。片目の不自由なハーリーは、小さな黄色のブーツにゴーグルと防護服を着用し、毎日2時間、医療従事者らを楽しませるために大忙しだという。

 ハーリーについて、臨床神経心理学者で飼い主のルシア・レデスマ(Lucia Ledesma)さんは、幼犬の頃から「精神的、心理的、神経心理学的疾患」に苦しむ患者の治療を手助けするために訓練されてきたと話し、とてもおとなしく、いつも人と交流したがる性格だと説明する。

 レデスマさんのチームは2月、病院が大勢の患者であふれて人々のストレスが増えると考え、医療従事者らを精神面でサポートするプロジェクトにハーリーを起用することを思いついたのだという。

 活動を手助けするためにハーリーが現場に到着すると、あっという間に人が集まってくる。こうした状況についてレデスマさんは、「『触れる』という行為奪われてしまった医療従事者らの立場を理解する必要がある」と指摘し、特に家族を感染させないよう自らを隔離する第一線の医療スタッフへのケアは必要だと話す。(c)AFP