【5月15日 Xinhua News】中国で農村観光経済が復活し始めている。混雑する観光スポットを訪れるのでなく、農村で余暇を過ごすことを選び、渓流をさかのぼったり、写生をしたり、トレッキングや登山に興じたりと、のどかな田園生活を楽しむ人が増えている。

 湖南省(Hunan)湘潭市(Xiangtan)に住む馬(Ma)さんは5月初めの労働節(メーデー)連休、一家5人で、省中西部の山あいにある農村観光スポット、雪峰山大花瑶景区へとドライブで出かけ、楽しい2日間のバカンスを過ごした。

 「山を登り、水を渡り、日の出を観賞し、楽しく過ごした。疲れたが楽しかった」と馬さん。子供が2歳で、抱いていなければならない時が多いが、自然に親しみ、ゆっくりと過ごす方式は家族旅行にぴったりだと感じている。

 雪峰山大花瑤景区は四つのエリアに分かれ、いずれも山あいに散在している。運営会社、湖南雪峰山生態文化旅遊の夏喜衡(Xia Xiheng)副総経理は「ドライブや個人旅行が主流。週末や祝日の訪問者数は去年の同じ時期と大差ない」と語る。山の中で新鮮な空気を吸い、農村の料理を堪能し、木造の伝統家屋に宿泊、農耕文化や現地の風習を体験でき、懐かしい気持ちがよみがえると魅力をアピールした。

 「人々の生活レベルが上がるにつれ、消費に対する意識も変わっている」と夏氏。友人や家族とドライブで出かけ、空気がきれいで環境も良く、文化の味わいの深いところに少しの間滞在し、観光のコースをそれぞれが自分で決めるというスタイルが今後の流れになると見ている。

 湖南省旅遊(観光)学会専門家パネルの張建永(Zhang Jianyong)チーフ専門家は、リゾート旅行はこれまでのアウトドア旅行に対する意識を打ち破り、単純な立ち寄り観光を、滞在時間が数日間と長く消費レベルの相対的に高いリゾート旅行へと転換しつつあると指摘。リゾートでスローライフを楽しむやり方の出現は、中国で旅行に対する考え方が代替わりしつつあることの予兆となっているとの見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News