【5月14日 AFP】アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は13日、ロシアが自身を標的としたハッキングを働いていることに対する不快感を示し、ロシアが「言語道断な」スパイ行為を試みたことを示す具体的な証拠があると主張した。

 メルケル氏は連邦議会で「正直に言って、これは苦痛だ。自分が毎日、ロシアとの関係を改善しようと努力する一方で、ロシア軍がこのようなことをしているという確かな証拠がある」と表明。このようなサイバー攻撃は「不愉快極まりない」とし、不正行為が続けば制裁発動の可能性もあると示唆した。

 独情報機関は、ロシアのハッカーらがドイツの議員や有力政治家らを標的とした諜報(ちょうほう)活動を試みていると繰り返し指摘してきた。ドイツメディアの報道によると、2015年のサイバー攻撃で流出した情報の中にはメルケル氏の電子メールアカウント内のデータも含まれていた。この攻撃ではドイツ連邦議会も標的となった。

 メルケル氏は、捜査当局が2015年のハッキングに関与した容疑者を特定したと述べた。メディア各社は、この人物の身元をドミトリー・バディン(Dmitry Badin)容疑者と伝えている。同容疑者は、2016年米大統領選での民主党に対するものを含む複数のサイバー攻撃に関与した疑いで米連邦捜査局(FBI)から指名手配されている。(c)AFP