【5月14日 Xinhua News】張海晶(Zhang Haijing)さん(30)は、娘が生まれてから今まで、時折娘の絵を描いては成長過程のさまざまな事柄を記録してきた。

 張さんは幼少期から絵を学んできた訳ではない。浙江省(Zhejiang)麗水市(Lishui)で育った張さんは2008年、誤って6階のベランダから転落し、車いすの生活を送るようになった。その後、偶然に絵を描く機会に接し、夢中になった。絵を描くことで、けがによる精神的苦痛を克服した。

 14年に同じく障害者の但誉超(Dan Yuchao)さんと知り合うと、翌年には結婚し、但さんの実家のある江西省(Jiangxi)都昌県(Duchang)大港鎮(Dagang)に居を移した。ただ、障害者夫婦が年老いた親の面倒を見つつ生計を立てるのは難しく、16年には地元政府から貧困世帯の登録を受けた。

 張さんは生活を改善するため、得意な絵を生かし、作品を売って収入を増やした。地元政府の支援を受けてアトリエを開き、留守児童(親が出稼ぎに出て、祖父母や親せきに預けられている子ども)に絵を教える傍ら、自身の作品のネット販売も始めた。夫も同じく支援を受けて自分の仕事を持つことができた。

 一家は18年、貧困指定を解除された。張さんは「自分の特技を生かして農村で美術教育を普及させたい。より多くの子どもに絵画の知識を教え、絵画の世界の扉を開いてあげることで、かれらの生活に可能性を一つ増やすことができればと思う」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News