【5月13日 AFP】中国からパンダ2頭を借り受けているカナダの動物園が、新型コロナウイルス流行の影響で、餌として必要となる大量の竹の調達が困難になったとして、この2頭を予定を早めて中国へ返還することが分かった。

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 ジャイアントパンダの二順(アルシュン、Er Shun)と大毛(ダマオ、Da Mao)のカップルは、中国・成都(Chengdu)の飼育施設との10年間の貸し出し契約に基づき、2013年からカナダで暮らしてきた。

 2頭のカナダ到着は当時大きな注目を集め、全大手テレビ局がその様子を生中継した。

 二順はその後、双子の赤ちゃんを出産。カナダ国内で誕生した初のパンダとなった。

 しかし、今回カルガリー動物園(Calgary Zoo)は、新型コロナウイルスの感染拡大により交通網が遮断され、成体のパンダが通常1日に食べる竹40キロ分の調達が困難になったとして、2頭の滞在期間を短縮すると発表した。

 職員らは他の竹業者を探そうと試みたが、事前通知なく供給が中断され、パンダたちの餌がなくなる恐れがあったという。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第2波が予想される中…カルガリー動物園は、地元で豊富な竹が手に入る中国に大切なパンダたちを移動させることが不可欠だと感じている」と説明した。

 同園は現在、同ウイルスの流行を受けて閉鎖されており、パンダたちとのお別れを一般公開することはできないとしている。

 公共放送CBCによると、2頭の子どもたちはすでに中国へ移されているという。(c)AFP