【5月13日 AFP】スペイン最高齢とされる113歳の女性が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかったが、無事回復したことが12日、明らかになった。

 この女性は、米国生まれのマリア・ブラニャス(Maria Branyas)さん。これまで20年間暮らしてきたスペイン東部カタルーニャ(Catalonia)自治州のウロット(Olot)という町にある老人ホームで4月に新型ウイルスに感染し、数週間にわたって自室に隔離され感染症と闘っていた。

 カタルーニャの地方テレビ局TV3によると、隔離期間中、ブラニャスさんの部屋への出入りが許されたのは施設のスタッフ1人だけで、防護服を着用した上でブラニャスさんの世話をしていた。

 ブラニャスさんはTV3が放映した映像の中で、施設のスタッフが「とても親切で、気配りをしてくれた」と述べている。またスタッフが長寿の秘訣(ひけつ)を尋ねると、幸運にも「健康」を享受できていると答えている。

 1969年に創設されたこの老人ホーム「レジデンシア・サンタ・マリア・デル・トゥラ(Residencia Santa Maria del Tura)」の定員は100人余りだが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の間に数人がこのウイルスの感染症関連で亡くなったという。

 隔離によってブラニャスさんと面会できずにいた娘のロサ・モレット(Rosa Moret)さんは、「母は元気で、再び自分らしさを取り戻したことについて、話したい、説明したい、自分の考えを語りたいと思っている」と同テレビに述べた。

 近年、スペインのメディアでは国内最高齢とされるブラニャスさんに関するいくつかの記事が掲載されていた。それらによるとブラニャスさんは1907年3月4日、スペイン北部出身の父親がジャーナリストとして働いていた米サンフランシスコで生まれた。第1次世界大戦(World War I、1914~18年)時に家族で船に乗ってスペインへ移り、1918~19年のスペイン風邪のパンデミックや、1936~39年のスペイン内戦も生き抜いた。(c)AFP