【5月13日 AFP】マカオ(Macau)の民主派団体は12日、毎年恒例の天安門(Tiananmen)事件をテーマとした写真展の開催を当局が認めなかったと明らかにし、マカオ政府が言論の自由を抑圧していると非難した。開催が許可されなかったのは、過去30年間で初めてだという。

 中国の「一国二制度」の下で高度の自治権を有するマカオでは、民主派団体が1989年以来、天安門事件が起きた6月4日に合わせて小規模の平和集会と屋外での写真展を開催してきた。

 写真展の主催者らによると、マカオ市政署が当初は今年の写真展開催を許可していたが、のちに許可を取り消したという。

 民主派団体「デモクラティック・ディベロップメント・ユニオン(Democratic Development Union)」は、市政署の決定を「突然のUターン」だと表現。当局は、公共の場の使用方法について規定した新たな行政規則に言及したという。

 同団体はフェイスブック(Facebook)に抗議文を投稿。「30年間、われわれはこの写真展を主催し、常に喜んで市政署に協力し指示に従ってきた」とし、「これまでに不快なことは何も起こらなかったし、われわれは政府や住民の迷惑になることは一切してこなかった」と訴えた。

 複数の民主派団体は、当局が政治的議論を抑圧していると非難している。

「新マカオ協会(New Macau Association)」は12日、フェイスブックを通じて、写真展の「禁止は明らかに政治的理由に基づいている」と述べ、「表現の自由を抑圧し、市民社会の空間を最小限に抑えるために行政的手段を利用している」と批判した。

 地元メディアによると、市政署のトップはこの決定が政治的だとの指摘を否定しているという。(c)AFP