【5月13日 Xinhua News】中国科学院の研究チームが、西太平洋の熱水噴出口から超臨界二酸化炭素の気泡が出ていることを確認した。超臨界とは、温度と圧力が臨界点以上に達した物質が液体と気体の両方の性質を持つ状態のことで、地球上で天然の超臨界二酸化炭素が発見されたのは今回が初めて。研究成果はこのほど、科学誌「Science Bulletin」の電子版に掲載された。

 中国科学院海洋研究所と同院海洋大科学研究センターの研究チームは2016年、水深1400メートルの深海で、独自開発したラマン分光装置を使用して、天然の超臨界二酸化炭素を発見した。

 中国科学院海洋研究所の張鑫(Zhang Xin)研究員は、「超臨界二酸化炭素はドライクリーニングなど日常生活でも広く使われているが、天然の超臨界二酸化炭素が発見されたのは今回が初めて」と説明した。

 見つかった超臨界二酸化炭素の流体は、窒素の含有量が周囲の海水や噴出口よりも大幅に多かった。その理由として張氏は、周囲の窒素を濃縮していることを挙げた。

 流体からは別の有機物質も見つかった。研究チームは、超臨界二酸化炭素と高濃度の窒素が、生命の起源に不可欠なアミノ酸などの有機物の合成や濃縮を促進する上で、重要な役割を果たした可能性があるとの認識を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News