【5月12日 People’s Daily】「陳団長、今週は何を買いますか。何かいいもの、ありますか」、「陳団長、前回の牛肉はよかったですね。近いうちまた何か買いますか」。上海浦東新区(Pudong)の尚海酈景小区(居住区)に住む陳耕(Chen Geng)さんが通信アプリ微信(WeChat)でこの居住区のグループチャットを見ると、仲間からの集団購入の提案がいつも入っている。

 新型コロナウイルスの流行期、全国の各居住区は感染の予防・抑制を重視、これに伴い、住民がどのように生活物資を購入するかが問題となった。そこでオンラインの集団購入方式が浮上、これによって住民はいいものを安く買えることから、多くの住民が参加するようになった。

 36歳の陳耕さんは集団購入の団長として住民たちの期待を裏切らなかった。毎週、数種類のいい品物を見つけ、住民たちに選ばせた。皆で選んだあと、陳さんは集団購入用のアプリを使い、購入商品の名称や重量、価格などを知らせる。住民はアプリ上で購入の意思を示し、支払いをすれば、それで終わり。そのあと、陳さんが売り手に発注すると、売り手が居住区に配達する。それを陳さんとボランティアが住民に配る。

 だが、陳さんは集団購入を専業としているわけではない。この居住区に住む住民の1人にすぎないが、日頃、居住区の活動に熱心で、住民は皆、陳さんをよく知っており、信用していた。集団購入は当初は一部の住民が不定期に実施していたが、参加者は徐々に増え、頻度も毎週1回、さらに毎週2回になった。

 集団購入は購入量が多いし、まとめて配送するので、売り手にとっては割がいい。このため、商品の価格は住民が個別に買うより大幅に安くなる。「新型コロナの流行期、集団購入の1週間当たりの購入額は平均で8万元(約121万円)、少ないときでも5、6万元に達した」と陳さん。

 陳さんの評判が高まるにつれ、近隣の居住区の住民も陳さんに対し、集団購入へ参加したいと言ってくるようになったという。陳さんは「居住区によるオンライン集団購入の潜在力はまだ十分に発揮されてはいない。前途有望だ」と語った。(c)People's Daily/AFPBB News