■ドイツ人記者「ぞっとする」

 ドイツ人記者のフリーデリケ・ベーゲ(Friederike Boege)氏は、武漢から北京に戻った日に今年2回目となる隔離生活に入った。住宅の管理会社は、ベーゲ氏の活動を監視するカメラを玄関前に設置した。

 ベーゲ氏は、AFPの取材に「本当にぞっとする。このような状況にどうやって慣れればいいのか」と語った。「監視カメラだけでなく、住まいから外に出たら、集合住宅の警備員や清掃員に絶対通報されると思う」

 前回は、3月にタイから戻った後の隔離生活中、ごみを出すために階下に下りると清掃員から管理会社に通報されたという。

 厳重な隔離下に置かれる人々には、完全な孤立が一時的な規則として課される。スーパーへの買い物や退屈を紛らわす散歩すら一度もできない。

 報道機関記者のジョイ・ゾン(Joy Zhong)氏(25)は、武漢への出張から北京に戻った後、市内にあるホテルで窮屈な部屋から一歩も出ずに3週間過ごした。

 ホテルでは、宿泊者が自分で食べ物を注文することは禁止され、全員同じ食事を提供された。友人が差し入れをフロントに届けることは許可されたが、スタッフはその差し入れを部屋の外に置いて行き、宿泊者と直接的な接触することはなかった。

 ゾン氏は、AFPの取材にこう語った。「21日間連続で誰とも会わずに過ごしていると、時間が過ぎるのが非常に遅く感じた」 (c)AFP/Jing Xuan TENG