【5月12日 AFP】世界保健機関(WHO)は11日、一部の国で新型コロナウイルスの感染拡大ペースと死者数が減少していることを歓迎しつつ、ロックダウン(都市封鎖)など行動制限の緩和開始に際し「極度に警戒」するよう各国に呼び掛けた。

 欧州の広範囲では11日、ロックダウンを段階的に解除し、さまざまな活動を再開させる長いプロセスが開始された。フランスやスペインなどの当局は死亡率の減少に自信を深めている。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はテレビ会見で、「朗報は、ウイルスの感染拡大ペースを遅らせ、最終的に命を救うことに大きく成功していることだ」と述べた。

 WHOの緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏も、封鎖が段階的に解除されていることは「希望」の表れだと称賛したが、一方で「極度の警戒が必要だ」と警告もした。

 世界全体で確認されている新型コロナウイルスの感染者は400万人を超え、死者は28万人を超えている。多くの国で実施された思い切った感染拡大抑止策によって、各国ではウイルスへの対処に余裕が生まれているが、一方では流行の第2波が押し寄せるのではないかとの懸念も広がっている。

 ライアン氏は各国に対し、公衆衛生対策を強化し、新規感染者を確実に特定してすべての接触者を追跡・隔離するよう求めた。(c)AFP