【5月13日 CNS】中国・湖北省(Hubei)荊門市(Jingmen)の漳河飛行場(Zhanghe airport)で8日、試験飛行指揮官の号令の下、タービンプロペラエンジンのごう音が鳴り響き、試験飛行チームの熟練した操縦で国産大型水陸両用機AG600が徐々に停止位置を離れて滑走を始めた。

 正式に始まった2020年のAG600試験飛行は、陸上滑走、着水、水上での加減速、回転、上陸などの試験内容を、所要時間1時間59分で順次達成した。操縦制御は安定、操作系統も正常に作動し、今後は海上での初飛行に向け、全力で準備を進めるという。

 新型コロナウイルス感染の影響で、同機が海上での初飛行前に行う試験科目は予定通りに進められなかった。中国航空工業集団(Aviation Industry Corporation of China)と中航通用飛機(China Aviation Industry General Aircraft)の指導のもと、珠海(Zhuhai)生産基地は、珠海市と荊門市の両政府と生産再開について積極的に話し合いを重ねた。

 両政府の支持を受け、同基地は防疫対策をしっかりと行いつつ、製造研究グループを5回にわたり試験飛行の安全をつかさどるグループに派遣し、荊門まで出掛け、業務時間の超過を顧みず、準備を行ってきた。

 派遣隊第1陣が3月12日荊門入りし、エンジンの定期補修を行い、同25日には第2陣が機体改装の測定を実施、5月6日の地上トライアルで機体全体の調整試験と総合応急演習を行った。5月7日には技術事項の最終確認、乗機実習、飛行前準備および機体全体の消毒などの作業が行われた。

 試験飛行グループの56日間の昼夜分かたぬ努力の末、ウイルス感染がもたらしたパーツの不足、人員配置の調整、移動や食べ物、宿舎など多くの困難を克服し、めでたく2020年の試験飛行の幕開けを迎える運びとなった。

 準備期間中は、漳河新区管理委員会が荊門市応急局と共同で組織した漳河工程管理局、気象局、荊門海事局など十数の政府や現地の関係組織が「AG600試験飛行応急安全保障協力調整会」を開催し、安全な試験飛行への支援を行った。(c)CNS/JCM/AFPBB News