【5月12日 Xinhua News】ある形態の細胞死を抑制すれば、心臓病を防げる可能性があることを中国の専門家が発見した。いくつかの心臓病の治療に応用できる見込みがあるという。

 プログラム細胞死の一つに、鉄分に依存するフェロトーシスという種類があるが、浙江大学(Zhejiang University)医学院の研究チームが今回、そのフェロトーシスが重要な臓器にダメージを与えたり、神経変性疾患を引き起こしたりしている可能性があることを発見し、米医学誌「サーキュレーション・リサーチ」に研究報告を掲載した。

 心臓の筋肉を形成する心筋細胞は再生せず、死ぬと心臓の損傷や疾患を引き起こすが、チームはマウスを使い、フェロトーシスが損傷の大きな要因になっていることを発見。さらに、日常生活のストレスから体を守るグルタチオンという抗酸化物質の濃度を上げることで、心筋細胞のフェロトーシスと、それに伴う損傷を防げる可能性があると報告した。

 筆頭著者の王福俤(Wang Fudi)氏は、心臓からの血液供給が滞る心筋症の悪化リスクを抱える患者に対して、今回の発見は新たな治療目標になり得ると述べている。(c)Xinhua News/AFPBB News