「木を切らないことが富をもたらす」 山林の自然を生かして貧困を脱した江西省の農民たち
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【5月11日 People’s Daily】林業が盛んな中国江西省(Jiangxi)。方友紅(Fang Youhong)さんは同省共青城市(Gongqingcheng)金湖鎮(Jinhu)で森林保護員を務め、自然が破壊されたり森林火災が起きたりしないよう山林のパトロールを続けている。消火器の使い方も覚え、日誌には毎日、克明に記録をつけている。
方友紅さんは椎間板に障害があり、左目の視力が極端に低い。年老いた母親と小さな子どももいるため出稼ぎに行くこともできず、貧困に陥っていた。しかし2016年に地元政府から森林保護員の職を与えられ、毎月500元(約7500円)の給料をもらうようになった。
「私を気遣ってくれて感謝しています。暮らしは確実に良くなっています」
江西省において、林業は貧困を解消する大きな武器となっている。江西省では昨年、貧困層から7500人を森林保護員に雇った。累計で2万1500人、転業関連資金は5.3億元(約80億円)に上り、7万人近くを貧困層から脱却させた。また、自然保護のため伐採を制限をしており、林業の人々に昨年は11.2億元(約170億円)の補償金を出している。この補償基準は中国中部地域では最も高い。吉安市(Ji'an)では1.27億元(約19億円)を拠出したうち、貧困家庭6642世帯に362万元(約5400万円)を補償した。
自然保護員になるのは決して容易ではない。吉安市楠木村(Nanmu)の黄連華(Huang Lianhua)さんは「多くの試験や訓練を経て、やっと仕事に就けます」と強調する。仕事も楽ではない。毎朝、日が昇る前から山林でパトロールを始める。それでも黄さんは「安定した収入があり、貧しい暮らしに戻る不安がない」とやりがいを感じている。黄さんのような保護員たちが、人々の暮らしに恩恵を与える「緑の銀行」を守っている。
「環境を守ることが人間にもメリットをもたらすのです」。横峰県(Hengfeng)陳村湾村(Chencunwan)の森林保護員の饒瑞有さん(Rao Ruiyou)はそう力説する。彼は今、地元行政の指導を受けながら山林でニワトリやアヒルを飼育している。人工のえさをやらず自然の中で育てる方法が評判で次々と注文があり、昨年の収入は4万元(約60万円)を超えた。今年はさらに水田でフナやソウギョの飼育を始めた。饒さんは「最近は食事を通じた健康づくりが重視されているし、都会人はこうした自然の味わいが好きですからね。今後の暮らしに希望が持てるようになりました」と笑顔を見せる。
「木を切らないことが富をもたらす」。豊かな水と林を持つ山は、それ自体が金山や銀山のようだ。昨年、江西省内では油茶の低木の作付面積が33万ヘクタールを超えた。このうち貧困地域の1000以上の村で約22万人が参加し、3.3万ヘクタール強を作付けし、世帯平均で2000元(約3万円)近い増収となった。
冒頭の共青城市では最近、九仙嶺森林公園の景色が「映える」としてネットスターが取り上げて有名になった。自然保護員の方友紅さんは自然を生かしたビジネスで昨年の年収は3.6万元(約5万4000円)に達し、自宅も建て替えた。
今年は漢方薬に使う葛根を植えて、加工した葛根粉を観光客に売り出す計画だ。「草木を育てることが、生活を豊かにする」。方さんはそう実感している。(c)People's Daily/AFPBB News