教授と農家の「二人三脚」で新型コロナウイルスを克服 天津市の農業支援制度
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【5月12日 People’s Daily】中国天津市(Tianjin)浜海新区茶淀街の農家、張宝金(Zhang Baojin)さんのビニールハウスで、みずみずしいブドウが太陽の光を浴びて成長している。房は大きく、ブドウの粒は一つ一つが輝いている。「ほどよく赤みがかったブドウはとてもおいしくて、去年は市場で500グラムが80元(約1200円)で売れましたよ」と張さんは笑顔を見せる。
少し前、張さんのブドウは根が腐り、全滅する恐れがあった。その時、張さんを助けたのが、天津農学院園芸園林学院の田淑芬(Tian Shufen)教授だ。中国農学会ブドウ分会常務副会長も務める田教授は、天津市が始めた農業特別派遣員制度の第一期メンバーとして、茶淀街の七つの村で指導を続けている。
茶淀街は昔からブドウ農家が多いが、栽培方法は旧態依然のままで収入は多くなかった。田教授は害虫や災害予防のためブドウの房を袋に入れて育てる方法を提案。農民たちはすぐに受け入れず、田教授が自腹を切って袋を買って配ると、一部の農民だけが従った。するとしばらくして地域に雹(ひょう)が降る災害があり、袋に房を入れた農家は被害が最小限に食い止められ、すべての農民が田教授を信頼するようになった。農民たちはそれまで、売り上げを伸ばそうとブドウを過密に育て肥料を大量に与え、結局は500グラムで1元(約15円)程度の値段でしか売れなかった。その後、田教授が適正な指導をした結果、ブドウは500グラム20元(約300円)で売れるようになった。
新型コロナウイルス感染症が拡大した時期は、多くのブドウが売れ残るようになった。田教授はネット取引大手のアリババが「ウイルスに負けず、農家の支援を」というキャンペーンを始めたことを知り、すぐに農家とアリババの橋渡し役を務め、販売ルートを確保した。
2014年以降、天津市の農業特別派遣員は1000人以上を数え、乳牛、家畜、水産、野菜設備など十数種類の分野で技術指導をしている。
キノコ栽培が盛んな天津市薊州区(Jizhou)では毎年春が生産のピークで、天津農学院キノコ科の班立桐(Ban Litong)教授も忙しい日々を過ごしている。
班教授はアミガサタケの試験栽培に成功し、地元農家も栽培を始めた。アミガサタケは栄養豊富で独特の風味があり、市場では500グラムで100元(約1500円)近い値段がつく。「菌床にはどれぐらいおがくずを使いますか?」「菌床の除菌をするときに注意することは?」。通信アプリ微信(WeChat)のグループトークを通じて、班教授は80人以上の農民の質問に一つ一つ答えている。班教授が最近安心したことは、新型コロナウイルス感染症の影響をほとんど受けなかったこと。キノコの価格はほとんど下がらず、売れ残ることもなかった。
天津市の薊州区と武清区(Wuqing)では、天津農学院園芸園林学院の王麗娟(Wang Lijuan)教授がイチゴ栽培の指導に力を入れている。「ビニールハウスの温度を低くして、イチゴが熟成する時期を遅らせて出荷を調整しています」。新型コロナウイルスの影響で農家に損失が出ないよう王教授はイチゴの生育状況を調整し、インターネットや宅配など多くのルートを使って販売を維持している。
天津市の農業特別派遣員たちが指導した村は1000以上を数える。成功したプロジェクトは600項目を超え、9万人の農民が恩恵を受けている。(c)People's Daily/AFPBB News