【5月11日 People’s Daily】中国国務院広報室は4月23日、記者会見で2019年の中国における知的財産権の状況について紹介した。国家知的財産権局の申長雨(Shen Changyu)局長によれば、2019年、知的財産強国への道は加速している。特許商標の審査の質と効率は上昇し続けている。発明特許の審査周期は17.3か月、商標登録の審査周期は4.5か月にそれぞれ縮んでおり、国務院が定めた今年度の目標を超えた。通年の特許・商標に関する費用は累計で79億3000万元(約1190億円)削減できた。

 知的財産権の保護も全面的に強化されている。さまざまな措置がとられており、商標の違法案件は3万2000件、特許の違法案件は7000件、訴訟案件の係争金額は合計5億1000万元(約76億円)にのぼる。特許侵害の訴訟案件は3万9000件、各種不正競争案件は1万件、係争金額は31億6000万元(約476億円)を計上した。

 知的財産の質も穏やかに上がっている。国内(香港・マカオ・台湾以外)での発明特許は186万2000件、人口1万人ごとの発明特許は13.3件となり、第13次5か年計画で定められた目標を達成した。国内での商標登録件数も2521万9000件に至り、平均4.9の企業に1件の商標登録をしていることになる。世界知的財産権組織の関連報告とデータによると、中国は2019年、全世界クリエート指数ランキングで14位に上昇し、2018年から順位を3つ上げた。2019年、中国が特許協力条約(PCT)を通じて提出した特許申請は5万9000件であり、世界第1位に躍進した。また、商標の国際登録に関するマドリッド協定を通じて提出した商標登録の申請は6339件であり、世界第3位である。

 知的財産権の運用効果と利益も明らかに上昇している。統計が示すように、2018年の中国の特許密集型産業の付加価値は10億7000万元(約161億円)増加し、GDPにおける比重は11.6%を占め、経済の質の高い発展の重要な支えとなっている。2018年の中国著作権産業も付加価値は6億6000万元(約99億円)増加し、GDPにおける比重は7.37%を占める。

 国家知的財産権局の何志敏(He Zhiming)副局長によれば、国家知的財産権局は知的財産権の深い領域の改革や、良好な営業環境をつくるための実施意見を打ち出し、14方面78項目の具体的な措置を提出した。商標登録の平均審査期間は短縮され、国際的にも最も早い水準に近づいた。商標変更・譲渡・商標の国際登録や、却下再申請、その他複雑な案件など、業務にかかる時間はいずれも大きく短縮された。商標の処理業務はますます便利になっており、申請者はオンライン・オフラインで申請登録をすることができる。変更・譲渡・国際登録などの主要な業務は、去年はインターネット上の申請率が94.5%にのぼった。オフラインの全国212の商標受理窓口のうち、103の窓口では融資を行っており、昨年中国全土で企業援助のために融資された額は411億元(約6190億円)である。これは企業が融資難であり、また融資が高額であるという問題を解決するのに有効である。(c)People's Daily/AFPBB News