【5月11日 CNS】中国・浙江省(Zhejiang)義烏市(Yiwu)商務局は、10日以降、中国全土で新型コロナウイルスの検査試剤、医療用のマスクと防護服、呼吸器、赤外線検温器などの医療用物資と非医療用マスクを、「市場調達貿易」方式で輸出することをしばらくの間停止すると明らかにした。

「市場調達貿易」は、貿易の新業態、新モデルの一種。認可を受けた業者が国家商務部門などが認定した商業集中区域内で調達した商品について、通関1件あたりの商品価格が15万ドル(約1600万円)以下のものを、調達地で輸出通関を行う一種の簡便な貿易方式を指している。

 義烏市は9日、同時に「特定感染症対策物資の市場調達貿易方式による輸出暫時停止に関する通知」を出し、同市内の貿易業者に対し、前述の感染症対策物資「5+1類」を偽ってこの方式で輸出した場合、厳しく処罰することを伝えた。

 市商務局は、「一般貿易」方式による輸出はこれまで通り許可されると説明している。

 この措置は、近ごろ、中国の税関総署が不良品の感染症対策物資が大量に輸出された事案を発表したことが背景にある。税関総署は9日、全国で摘発した不良品の輸出リストを発表。不良マスクは186万枚に達し、輸出企業16社と関連製造会社の名前を公表した。

 税関総署は、世界中で感染拡大が続く中、対策の国際協力を進め、公衆衛生の危機に共同で対応することが求められているため、輸出物資の品質の管理監督を強化しなければならないとしている。(c)CNS-澎湃新聞/JCM/AFPBB News