【5月11日 AFP】香港各地で10日、香港の独立と人気がない行政長官の辞任を求める民主派活動家らが、母の日のフラッシュモブデモをショッピングモールや街頭で行い、機動隊が出動した。

「高度の自治」を有する香港では昨年、数百万人規模の民主派の抗議行動が繰り広げられた。抗議行動はしばしば暴力を伴い、香港は7か月連続で激震に揺さぶられたが、大勢の逮捕者と新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により行動は下火になっていた。

 だが金融の中心地である香港はウイルス拡大抑制に成功し、2週間ほど前から再び小規模な抗議行動が行われるようになっていた。

 10日午後には少なくとも8か所のショッピングモールで小規模なフラッシュモブ形式の抗議行動が発生。駆け付けた機動隊が、活動家らや、やじを飛ばす買い物客の群衆を解散させた。警察当局は各所で職務質問を行い、少なくとも3人を拘束した。

 昨年の抗議行動が始まった頃、親中派の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は抗議する香港市民を手の焼ける子ども、自らを怒った母親に例えた発言をして、市民の怒りの火に油を注いでいた。米国に倣い10日が母の日だった香港では、デモ参加者のチャットグループがこの日に合わせて同長官に狙いを定めた。

 当局は母の日のデモ行進を禁止したため、マスクをした少人数のグループが各所のショッピングセンターで警官隊と追いつ追われつのいたちごっこを繰り広げた。昨年何度もみられた光景だ。

「B」と名乗った大学生は、「これはウオーミングアップにすぎない。私たちの運動は新しく始める必要がある」とAFPに語った。(c)AFP