【5月10日 AFP】新型コロナウイルスの影響で9月に延期となった全仏オープンテニス(French Open 2020)について、フランステニス連盟(FFT)のベルナール・ジウディセリ(Bernard Guidicelli)会長が、無観客開催の可能性について言及した。

 全仏オープンは5月24日~6月7日の開催から9月20日~10月4日の開催へ、4か月ほど遅れることが決まっている。ジウディセリ会長は今もさまざまな可能性が考えられると強調し、独断との批判も浴びた延期の判断に関しては「後悔していない」と話した。

 会長は仏週刊紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Journal du Dimanche)に対し、「あらゆる可能性を排除しない。ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)は何よりもまず、試合と選手が織り成すストーリーだ」と話した。

「会場で実施される大会であり、テレビの画面で放送される大会でもある」「世界中で多くの視聴者が待っているし、無観客でもビジネスモデルの一部は実施できる。つまりは放映権料(大会収入の3分の1以上を占める)で、無視できない要素だ」

 全仏オープンでは毎年50万人近いファンが観戦に訪れるが、FFTは7日、当初の日程で売り出した観戦チケットを延期後も有効とするのではなく、払い戻すという示唆的な行動を取った。

 ジウディセリ会長は、開幕をさらに1週間ずらして9月27日とする可能性があることを認めている。そうなれば、全米オープン(US Open Tennis Championships 2020)と全仏オープンの間に2週間の余裕ができる。

「ATPのアンドレア・ガウデンツィ(Andrea Gaudenzi)会長や、WTAのスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)、国際テニス連盟(ITF)のデビッド・ハガティ(David Haggerty)会長とは定期的に会合を持っているし、来週もここまでの進み具合を話し合う予定だ」「全員で取り組んでいるが、細かな日程を決めるのはまだ少し早い」

 9月への日程変更については、FFTに決定権があることを強調し、「全仏オープンは仏テニス界の原動力で、国内の選手の収入源でもある(大会の収益は2億6000万ユーロ<約300億円>で、FFTの収入の8割を占める)」とコメント。自身を「良き父」と評し、「フランスの選手を第一に考え、守らなくてはならない。勇気ある選択だったし、いま誰にも後悔はない」と話した。(c)AFP