■人権侵害

 人権団体は長年、女性器切除は多くの身体的、心理的、性的問題を引き起こし、最悪の場合は死さえもたらす野蛮な行為だとして強く非難してきた。

 スーダンでは2015年に女性器切除反対派が禁止寸前にまで持ち込み、議会で禁止法案が審議された。だが、一部のイスラム教指導者の圧力に屈したバシル前大統領が法案を握りつぶした。

 とはいえ多くの宗教指導者らは、長年にわたり女性器切除に反対の声を上げている。人権活動家のシェリーン・アブバクル(Sherine Abu Bakr)さん(28)は「FGMを犯罪とみなすことは、信仰と矛盾しない。女性の割礼を認める(宗教的な)記述はない」と話す。

 スーダンのFGM撲滅運動「サリーマ(Salima)」のマナル・アブデル・ハリム(Manal Abdel Halim)さんは「法改正を非常に喜んでいるが、法律だけでは十分でない」と話し、「地域社会の認識を高める運動をさらに行う必要がある」と続けた。

 バドレッディンさんは、女性たちに施術を勧めて圧力をかける親族にまで刑罰の対象を拡大すべきだと主張している。

 イブラヒムさんも同意見で、「法改正によって、少女たちの体を生まれたままの良好な状態に保つべきだと人々が気付くことを願っている」と話した。(c)Abdelmoneim ABU IDRIS ALI