【5月9日 AFP】新型コロナウイルスの感染拡大対策として外出制限が課せられているロシアで、4月に確認されたドメスティック・バイオレンス(DV)の件数が前月比で倍増したことが分かった。同国の人権オンブズマン(行政監察員)が5日、明らかにした。

 タチアナ・モスカルコワ(Tatyana Moskalkova)氏によると、ロシアで3月に報告されたDVの件数は6000件余りだったのに対し、4月は1万3000件を上回った。

 モスカルコワ氏は、多くのロシア人女性は外出規制下では当局に助けを求めることができず、必要であれば支援を受けるために外出を認めてもらわなければならないと述べ、「DV被害者の女性たちに救助センターを訪れる機会を与えること、また女性たちがやむを得ず特別許可をもらうことなく家を出た場合は外出制限の違反と見なさないことは非常に重要」と訴えた。

 DV被害者の支援グループは先月、AFPに対し、3月下旬に外出制限が課されて以来、DVの報告件数が大幅に増加していることを明らかにしていた。(c)AFP