【5月9日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)の元スター選手、コービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏が犠牲になったヘリコプター墜落事故の現場で無断で写真が撮影された問題をめぐり、同氏の妻であるヴァネッサ(Vanessa)夫人が、ロサンゼルス郡保安局(Los Angeles County Sheriff's Department)を提訴していることが判明した。

 訴状を入手した米誌ピープル(People)によると、ヴァネッサ夫人は8日、事故当時に8人の保安官補が現場画像を撮り、それを他人にシェアしたと発覚したことで精神的苦痛を被った損害賠償を求める裁判を起こしたとされている。

 同誌の記事ではまた、「現場で少なくとも8人の保安官補が子どもたちや親、そしてコーチらの遺体画像を携帯電話で撮影していた」「同保安局が後日認めたように、保安官たちが事故現場で写真を撮ったのは捜査目的とは無関係であり、むしろ個人的な目的によるものだった」と伝えられた。

 ブライアント氏は今年1月26日にロサンゼルス西部の丘陵地帯で起きたヘリコプター墜落事故で、13歳の娘ジアナ(Gianna Maria-Onore Bryant)さんとその他7人の乗客とともに亡くなった。

 現場の写真を撮影できるのは、米運輸安全委員会(NTSB)と検視局の担当者だけと定められていた。同国紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)で写真の存在が報じられたことを受け、3月には同保安局のアレックス・ビラヌエバ(Alex Villanueva)保安官が、自身の部下が事故現場で写真を撮っていたことを認めていた。

 その後、米芸能情報サイト「TMZ」では、バーテンダーの話として研修中の保安官補が問題の写真をバーで客に見せていたと報じられた。

 訴状の中では、ヴァネッサ夫人が問題の写真の一部がインターネット上に投稿されていたことも把握したと記されている。ブライアント家の広報担当者はピープル誌に対して、「この(訴訟の)主な目的は、責任の追及と犠牲者の保護、そして将来二度と誰もこのような行為に対処する必要がなくなるようにするためである」と述べた。(c)AFP