【5月9日 AFP】新型コロナウイルス対策の封鎖措置緩和が進む中、保護者や政府は学校をいつ再開すべきかという問いに頭を悩ませている。一方で科学者らは今も、新型コロナウイルスが子どもに及ぼす影響を解明できずにいる。

 子どもは新型ウイルスに感染することがあるものの、死亡や重症化の例は非常に少ない。だが、子どもは感染を拡大させる恐れがあるのだろうか? これまでに分かっていることを以下にまとめた。

■子どもは感染するのか?

 世界保健機関(WHO)は「青少年の感染確率は他の年齢層と変わらず、感染を拡大する恐れがあることが、研究から示されている」としている。

 フランス保健当局は、複数の国際研究からのデータを統合した結果として、各国の公式感染者のうちの子どもの割合は1~5%としている。割合が小さい理由は、子どもは新型ウイルスに感染するものの、症状が軽度だったり無症状だったりして集計に含まれない場合が多いことにあるという。

 一方で、子ども(特に10歳未満)はそもそも感染しにくい可能性があるとする専門家もいる。

 英国の小児医療情報サイト「ドント・フォーゲット・ザ・バブルズ(DFTB)」の専門家、アラスデア・ムンロー(Alasdair Munro)氏とダミアン・ローランド(Damian Roland)氏は、新型ウイルスの感染経路を分析した複数の国際研究結果に基づき、「子どもは大人よりもずっと感染しにくいということは、かなり説得力があるように思える」と結論している。

 さらに両氏は、コミュニティー全体での大規模検査が行われた韓国、アイスランド、イタリア・ボー(Vo)のデータを分析。その結果、すべての地域で子どもの感染者が大人よりずっと少ないことが示された。

 DFTBの専門家チームは、国際研究をまとめた結果として、重症患者における子どもの割合はわずか1%で、「死亡例は極めてまれ」だと述べている。