【5月9日 Xinhua News】中国・天津市(Tianjin)では、ランドマークの観覧車「天津アイ(天津之眼、Tianjin Eye)」の営業が再開し、夜のにぎわいを取り戻しつつある。労働節(メーデー)に伴う5月1日から5日の5連休により、「夜間経済(ナイトタイムエコノミー)」は新型コロナウイルス収束後の都市に活気を与えている。

 楊印平さんが営む飲食店「陝西風味餐庁」の入居する天津市南開区の奥城商業広場には、飲食、娯楽、フィットネスなどの業種が集まり、新型コロナ前は客足が絶えず、楊さんの店も繁盛していた。

 楊さんの店は3月上旬に営業を再開した。5連休中は「深夜食堂」の形で客足の増加を狙った。

 近所の飲食店「天津阿依来新疆餐庁奥城店」では、特製の夜食メニューが客を呼び込んでいる。同店の田衛平総経理は「4月末から夜食サービスを提供し始め、営業時間を翌朝1時まで延長した。連休により、客足は大きく伸びた」と話す。

 利用客を増やすため、阿依来は夜食サービスを始めたり、料理数を増やしたりしただけでなく、出前サービスに少額のお金を付ける紅包(ラッキーマネー)や、動画共有アプリ「抖音(ドウイン、Douyin)」での動画プロモーション、クーポン発行といった販促を行った。

 天津市商務局市場建設処の徐鳳成処長は、天津市ではメーデー期間中、新型コロナ対策の徹底を前提に、17の夜間経済エリアの再開を認め、第1弾として、326店の深夜食堂が再開したとし、大まかな統計によれば、売上高が2019年同期の7割まで回復した外食企業もあったと説明した。

 徐処長は「営業時間の延長や夜間消費商品の充実は、夜間経済の回復を促している。メーデー期間中、夜間経済はにぎわい、活気を取り戻した」と紹介した上で、「新型コロナの発生により、消費は抑制された。夜間営業のレベル・分野別の営業再開は、天津市の夜間経済の回復を促し、夜の食事や観光、ショッピング、娯楽などに活力を与え、夜の天津を活気づける」と述べた。

 天津市は次の段階として、多角的な夜間消費市場を構築し、夜間経済と観光、小規模店舗、インフルエンサーなどを組み合わせ、体験型、娯楽型、コラボ型などの業態を導入し、夜間経済を都市の活力の代表格にする方針という。(c)Xinhua News/AFPBB News