【5月8日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のチェイス・キャリー(Chase Carey)最高経営責任者(CEO)は7日、新型コロナウイルスによって深刻な影響が出ている今シーズンをなんとか立て直すため、カレンダーには含まれていない新たな会場で複数のレースを行う可能性があると述べた。

 F1を保有する米リバティメディア(Liberty Media)は同日に第1四半期の決算を発表し、2億ドル(約212億円)以上の減収だったと明かした。

 そうした中でキャリーCEOは、今シーズンについて15戦から18戦を行うことはまだ可能だと主張し、「2020年はレースを行わないというわずかな可能性を含め」あらゆるシナリオが検討されていると認めた。

 史上最多の22戦になるはずだった今季は、最初の10レースが延期または中止となっており、7月5日に決勝が予定されているオーストリアGP(Austrian Grand Prix 2020)で遅れたシーズンの開幕を迎えるとみられている。

 キャリーCEOは「最重要課題は二つ。レースを行うことができる場所を確認することと、必要な人員と備品をレース会場に運ぶ方法を決めること」とコメントした。

「すべての選択肢を模索できるようにするため、われわれは全プロモーターのほか、2020年の現行カレンダーに含まれていない複数のサーキットとも協議している」

 新たな会場の候補には、ポルトガルのポルティマン(Portimao)や、長期にわたってサンマリノGP(San Marino One Grand Prix)が開催されたイタリアのイモーラ(Imola)が挙げられている。

 オーストリアのシュピールベルク(Spielberg)にあるレッドブル・リンク(Red Bull Ring)では7月12日にも第2戦が行われ、英国GP(British Grand Prix 2020)の会場となるシルバーストーン(Silverstone Race Circuit)でも同19日と同26日に連続してレースが開催される見通しとなっている。

 キャリーCEOは「例年はサマーブレークとなる8月に何戦かを行い、9月上旬に欧州でのレースを追加するスケジュールをまとめている段階にきている」と続けた。

「その後は9月、10月、11月にアジアや米大陸でレースを行い、12月にバーレーンや(アラブ首長国連邦<UAE>の)アブダビといった中東で終える予定」

「15戦から18戦でカレンダーを組むことができればうれしい」

「カレンダーの序盤は無観客での開催になるだろうが、終盤にファンの入場が可能になることを願っている」 (c)AFP