【5月8日 AFP】フランスのエドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相は7日、首都パリでは当局が新型コロナウイルの感染拡大を引き続き懸念しているとし、来週始まるロックダウン(都市封鎖)の緩和措置は、国内の他都市よりも限定されたものになることを明らかにした。

 フランスでは感染者数、入院者数、死者数の減少の兆候があるため、政府は3月半ばに導入したロックダウンを11日から段階的に緩和する。

 しかしパリを中心とするイルドフランス(Ile-de-France)地域圏、北部オードフランス(Hauts-de-France)地域圏、東部グランテスト(Grand Est)地域圏、南東部ブルゴーニュフランシュコンテ(Bourgogne-Franche-Comte)地域圏は依然として、強い懸念がある赤色の区域に分類されている。

 フィリップ首相は報道陣に対し、同国西部や南部はパリや北部、東部と比べてウイルスの感染拡大がはるかに緩やかな緑色に分類され、国内は「二分されている」と指摘。

 赤色に分類された地方でも11日にロックダウンの緩和を行うことを認めた一方で、「中等教育の学校は再開せず、公園や庭園も開放しないなど、ある程度の制限がある」と述べた。

 またイルドフランス地域圏については「感染件数は減少しているものの、いまだに多い。期待していたよりも多い」と指摘した。

 ジャンミシェル・ブランケール(Jean-Michel Blanquer)国民教育相は、来週以降に最大100万人の児童が授業に戻れると明らかにした。フィリップ首相によれば、国内の学校の80〜85%が再開できる見込み。

 国内では7日の時点で、新たに178人の新型コロナウイルスによる死者が確認されたが、前日と比べて減少。集中治療室に入る患者数は2961人で、4月のピーク時に7000人超だった患者数が3月25日以来初めて3000人を下回った。

 保健省によると、病院と介護施設における新型コロナウイルスの死者数は計2万5987人となっている。(c)AFP/Stuart WILLIAMS