【5月7日 AFP】中国当局が7日に発表した統計によると、新型コロナウイルスによる世界的な影響にもかかわらず、4月の輸出は予想外の前年比3.5%増だったことが分かった。要因の一つには、医療品の輸出増が挙げられる。

 中国税関総署は、同月の輸入は前年比14.2%減と、3月よりも大きく落ち込んだとしている。

 税関の統計によると、1〜4月期は医療器具や機器の輸出が前年比で11%増えた一方、他の部門は大半が減少した。

 オランダ金融大手INGグループの中国経済専門家アイリス・パン(Iris Pang)氏はAFPの取材に対し、各国が新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に苦しむ中、中国にとっては医療品の輸出が追い風になったと話した。

 パン氏は、衣料品輸出は縮小したものの、繊維や生地などの販売は増加したと述べ、これらも医療用品の素材として用いられていることを示唆した。

 しかし他の経済アナリストらは、主要な外国市場が不況に直面しており、また米国との貿易戦争の新たな懸念が広がっていることから、今後は輸出も減退する可能性があると指摘している。(c)AFP