【5月7日 AFP】イスラエルのナフタリ・ベネット(Naftali Bennett)国防相は6日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のユダヤ人入植地に住宅7000棟を新設する許可を出したと発表した。強硬右派のベネット氏は近く退任するとみられており、パレスチナ側は強く反発している。

 ベネット氏はヨルダン川西岸南部のベツレヘム(Bethlehem)近郊にあるエフラト(Efrat)入植地について、「数千棟の住宅の建設を認めた」と述べた。

 イスラエルでは暫定政権を率いる右派のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と、中道派の野党指導者ベニー・ガンツ(Benny Gantz)元軍参謀総長による連立政権が13日にも発足する見通し。新政権では両氏が首相を交代で務めるが、ネタニヤフ氏が首相を続投する間、ガンツ氏は国防相に就任すると目されている。

 パレスチナ解放機構(PLO)はただちに、新たな「国際法違反」だと非難。PLO高官のハナン・アシュラウィ(Hanan Ashrawi)氏は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)を悪用して違法な入植計画を推進するもので、非道極まりない」と声明で批判した。

 イスラエル当局の公式統計によると、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の人口は過去10年間で50%増加。現在は、東エルサレム(East Jerusalem)の約20万人を含む45万人以上のユダヤ人がヨルダン川西岸に住んでいる。

 ヨルダン川西岸と東エルサレムのユダヤ人入植地は、国際法で違法とみなされている。(c)AFP