【5月7日 People’s Daily】衣食の懸念を解消し、義務教育と基本医療、住宅の安全を保障する。この「二つの懸念解消と三つの保障」こそ、農村の貧困層が貧困を脱却する基本だ。

 中国の重慶市(Chongqing)は2019年以来、20万人余りの幹部を動員し、貧困をめぐる調査を4回実施。「三つの保障」と飲用水の安全にかかわる5155件の問題点を発見し、すべてを解決してきた。

 竜駒鎮(Longju)は重慶の18の重度貧困地域の一つ。梧桐村(Wutong)は竜駒鎮の中でも地質が最悪で、いくつかの高山が集中し、坂は急で谷は深い。ゆるやかな坂に自宅を建てるのが多くの農民の夢だ。

 張定美(Zhang Dingmei)さんは出稼ぎ労働者として10数年間働き、2人の子供を育て、住宅建設資金もためた。ところが2017年に負傷し、重労働ができなくなった。これにより一家の家計は苦しくなった。

 2019年4月、重慶市が「二つの懸念解消と三つの保障」に向けた再調査を実施。張さん一家が幹部の目に留まった。「全村800戸余りの中で張定美さんの家が一番貧しかった。奥さんに収入があるとはいえ、かろうじて一定のレベルに達している程度。貧困に陥る危険性が大きかった」と語るのは、梧桐村の白新亮(Bai Xinliang)第1書記。当時、梧桐村に鶏の繁殖基地をつくる計画があったことから、白第1書記は張さんに鶏を500羽飼育するよう勧めた。

 張さん一家は徐々に豊かになった。「ここ数年、衣服を買っていない。今年はお金があるが、ヒヨコを買ったり、養魚池をつくったりする」と張さん。

 彭水県(Pengshui)岩東郷(Yandong)の衛生院岸山分院は村民の張国鳳(Zhang Guofeng)さんにとっては「わが家の病院」だ。以前は村民が県の病院に行こうとすると、徒歩で3時間かかった。その日のうちには帰ってこられず、1泊せざるを得なかった。今では分院に医師8人、看護師4人が常駐している。

「医療費は1000元(現在のレートで約1万5100円)余りかかったが、100元余りしか出せなかった」と張国鳳さんは振り返った。数年前、県の病院で胃の治療をしたときのことだ。結局、5万元(約75万円)余りの借金をした。今回の治療は村を離れることもなく、領収書を見て安堵(あんど)のため息をついた。

 2019年末の段階で重慶の貧困層の大病治癒率は100%になった。(c)People's Daily/AFPBB News