【5月6日 AFP】新型コロナウイルスの新規感染者が急激に減少している韓国では6日、社会活動がほぼ通常通りに戻った。会社員は職場に復帰し、博物館や図書館はソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の決まりにのっとって再開された。

 韓国は一時、中国以外では最多となる感染者が出るなど、被害が拡大。強制力のあるロックダウン(都市封鎖)は施行されなかったものの、コンサートやスポーツなどのイベントが延期や中止となったほか、博物館や美術館も休館となった。

 しかし、大規模な「追跡、検査、治療」の対策のおかげで感染拡大は抑えられているようで、韓国の対応には世界から称賛の声も集まっている。

 人口5100万人の韓国で、これまでに確認されている死者は約250人。過去3日間の新規感染者はわずか13人で、全員が外国からの帰国者だった。

 6日朝には少なくとも100人がソウルの国立中央博物館(National Museum of Korea)を訪れた。再開後初の来館者となった夫婦には、職員から花束が贈られた。

 博物館の広報担当者はAFPの取材に対し、「同僚の多くも勤務に戻ってきて、再開に興奮している。とてもうれしい」と語った。

 ただ、出社再開に複雑な思いを持つ人々もいた。ツイッター(Twitter)には「会社の机に着いた途端、家に帰りたくなった。でも、不思議と安心もする」といった投稿や、「長期休暇が終わってしまったような気分」といった書き込みも見られた。

 韓国疾病予防管理局(KCDC)によると、6日の韓国の新規感染者は2人で、累計感染者数は1万806人となった。

 野球やサッカーなど、一部のプロスポーツでは今週からシーズンが開幕するが、無観客での実施となる。学校は13日から段階的に再開される予定だ。(c)AFP