■「回復の根元」

 そして現在、販売戦略は2020年春のファッションに移りつつある。経済調査の専門家は、「パジャマや快適な部屋着が、これほどマーケティングされることはかつてなかった」と指摘する。

 ファストファッションブランドのザラ(Zara)のウェブサイトでは、このほど、家でくつろぐノーメークのトップモデルがフィーチャーされた。

 ビデオ会議では社員のインテリアの趣味が見えてしまうだけでなく、長く伸びたひげ、ぼさぼさの髪、そして髪の根元の色などもあらわになる。

 米国では日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が、洗濯やその他家庭用品部門での売り上げの急上昇と、美容やひげそり関連商品でのわずかな落ち込みを報告している。

 だが、人々が全てを大っぴらにしていないことを示す小さな兆候もある。

 英国の高級スーパー大手ウェイトローズ(Waitrose)や一般向けデパートのジョン・ルイス(John Lewis)では、3月のロックダウン以降、毛髪染料やヘアケア製品の売り上げがこれまでになく大きく伸びているのだ。

 これが示すのは「回復の根元」なのかもしれない。(c)AFP/Véronique DUPONT