インド、海外居住者の「大規模」帰国作戦に着手 ドバイだけで申請20万件
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【5月6日 AFP】インド政府は5日、新型コロナウイルスをめぐる規制により、海外で立ち往生している自国民数十万人の一部を連れ戻すため、海軍船や旅客機を動員した「大規模」な帰還作戦に着手したことを明らかにした。
新型コロナウイルス対策として世界有数の厳しいロックダウン(都市封鎖)を導入したインドは、3月末以降すべての国際線の旅客機の着陸を禁止。外国にいる大勢の労働者や学生が足止めを食った。
海軍は5日夜、市民約1000人を8日から退避させるため、船舶2隻がモルディブの首都マレに向かったと発表。
また、国防省の報道官はAFPに対し、もう1隻がアラブ首長国連邦(UAE)に向かっていると説明した。UAEには330万人強のインド人コミュニティーがあり、インド人が同国人口の約30%を占めている。
政府発表によると、旅客機を使った退避は7日に開始予定で、各国のインド大使館や高等弁務官事務所が「苦境に陥ったインド市民」のリストを準備しているという。
ドバイ(Dubai)にあるインド領事館は、同領事館だけでも約20万件の申請があったと述べ、インドが本国帰還に関する「大量の業務」を引き受けているため「忍耐と協力」が必要であるとツイッター(Twitter)で訴えた。
石油資源が豊富な湾岸諸国は、インドやパキスタン、ネパール、スリランカを中心とした外国人数百万人の安価な労働力に依存している。外国人労働者の多くは、派手な超高層ビルやショッピングモールから遠く離れたみすぼらしい仮設住宅などで生活している。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う壊滅的な経済的影響により、多くの労働者らが病気になったり、失業や無給労働の状況に置かれたりしている。(c)AFP