【5月5日 AFP】米国初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を治療した医師、ジョージ・ディアス(George Diaz)氏は4日、ロックダウン(都市封鎖)措置が解除された後に流行の第2波が発生することを懸念していると述べた。

 ディアス氏が最初に治療したコロナ患者の男性は、米ワシントン州で1月に感染が確認された。この患者は、同国が1日に患者への緊急使用を許可した抗ウイルス薬「レムデシビル」を投与され、すでに回復している。

 ディアス氏は、この抗ウイルス薬は心強い存在だと語る一方、感染を防ぐための隔離措置が、今でも「最も効果的な」コロナ対策だと強調した。

 米国ではこれまで、約120万人の感染と6万9000人近くの死亡が確認されており、いずれも世界で群を抜いて最も多い。だが死者の増加が予想されているにもかかわらず、一部の州では外出禁止令による経済的負担を緩和させようと封鎖の解除が進められている。同国ではこの封鎖措置により、6週間で3000万人以上が職を失った。

 国務省主催のビデオ会議に参加したディアス氏は報道陣に対し、「経済活動が再開され始めた時、おそらく流行の第1波と同じくらい威力があると思われる第2波が来るのを懸念している。そして第1波はわれわれにとっても、全世界にとっても非常に厄介だった」と述べた。

 ディアス氏は「そして何より、第2波に対処できる手段がわれわれにあるのかが心配だ」と述べ、引き続きソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の指示に従う必要があると指摘した。(c)AFP/Alina DIESTE