【5月5日 AFP】フランスで4日、新型コロナウイルスの累計死者数が2万5000人を超えた。一方、ロックダウン(都市封鎖)解除の政府計画は早急過ぎるとの批判に対しエドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相は、封鎖は社会・経済への影響が非常に大きいとして、政府の計画を擁護した。

 フランス政府はウイルス対策として3月中旬にロックダウンを導入。流行ペースが鈍化する兆しが強まる中、政府は今月11日からロックダウンを段階的に解除することにしているが、他の欧州諸国と異なり学校を一部再開する方針を取っている。

 フランスで4日に発表された新たな死者は、前日発表の2倍を超える306人。これにより同国の累計死者数は2万5201人となった。

 それでも保健省の最新の集計によると、新型コロナウイルスに感染して集中治療を受けている患者の数は前日より123人少ない3696人となり、最近の明るい傾向が続いた。フランス全土で入院している新型コロナウイルス感染者も前日より267人減り、2万5548人となった。

 フランスのウイルス死者数は現在、米国、イタリア、英国、スペインに次ぎ、世界で5番目に多い。

 フランス政府はロックダウンを段階的に解除する中で学校も再開する方針だが、学校再開は早急過ぎるとの批判が出ている。

 3日には、首都パリのアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)市長ら、パリの広域地域300余りの市長らが、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領宛ての公開書簡で、学級や日課を大きく再編成するために時間が必要だと訴え、学校再開の延期を要請していた。

 数多い新たな措置には、1クラスを最大15人に制限することも含まれている。これにより、登校できない生徒のために教師が遠隔授業をすることが求められる可能性もある。(c)AFP/Stuart Williams and Joseph Schmid